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【佐保小学校の校舎建設事業に関して】

9月議会の中で、一番大きな話題となったのは佐保小学校の新校舎建設事業のことです。(なぜか通常の予算決算特別委員会でなく、行財政改革及び公共施設等検討特別委員会に付託され、その他2つの議案とともに審議されました。)→通常の形とは異なるプロセスが踏まれました。

奈良市のWEBページより

この議案の概要はこうです。
令和6年の3月に議会の予算審議を経て51億で計画通り新校舎を建設することを承認しました。今回はそれに対して、物価高騰等で入札が不調に終わり(どこもこの金額でやってくれない)、補正予算で63億でお願いしたいというものです。

議会は9月30日の採決でこの議案を否決し、63億円を認めませんでした。

私はこの議案に対して、賛成の立場です。

主な理由は3点です。

【大前提として3月に計画は議会で承認されている】
 まず、この問題を考えるにおいて、大前提として考えないといけないのは、令和6年3月の議会において、校舎に対しての現計画、そして令和8年4月に鼓阪小学校と統廃合して佐保小学校を開校するというものが決まりました。その上での補正であり、63億円の増額を認めるかどうかどいうお金の問題に論点は絞られているはずです。しかも、3月の議論の時は、ここの金額に関して全くの質問は出ていません。
 まして、今回の3月の議会では、1つ1つの事業を丁寧に確認するとのことで、1事業ずつ各委員会(それぞれ担当の議員が7名程度いてます)で精査しています。この中で4つの事業で「統合」とはっきり明記されているにも関わらずです。つまりはどう考えても3月の時点で鼓阪小学校と佐保小学校の統合は議会を通っており、ここに関しては今回審議の余地はなく、この増額を認めるかの1点が考慮されるべき点です。

【計画のやり直し、引き延ばしはインフレリスクが大きすぎる】
 私は金融の仕事もしています。その中で、今後10年は今の現役世代が経験したことのない、賃金上昇を伴ったインフレが続きます。先進国の中でも物価がかなり安い国となっている今、インフレが続かないと逆に生活必需品までが買い負けする状況となり生活が成り立たない可能性もあります。つまりは、思っている以上にすべての値上げは続きますし、特に大きな金額の公共事業等は1年遅れるごとに費用の増額は大きくなります。公共事業を後ろにすることは費用の面でリスクが生じます。今回コチラを否決し、51億円でスケールダウンし、計画しなおし、完成が数年遅れるというのは、このインフレリスクがかなり影響あるのではないかと感じます。スケールダウンしたにもかかわらず、63億と同じくらいの費用が掛かる可能性を危惧します。

【そもそも子どもたち、地域の方々はどう感じるか?】
 一番大事なのは地域の方々や佐保小学校の子供たちがどう感じるかということです。3月に議会はこの建設の計画を認めたのに、この金額のみの補正で否決され、計画が延びるとなると地域は議会の審議で振り回されることになります。また、工事は何か始まってるけど、いつ校舎ができるかって楽しみにしている児童もいっぱいいるのではと思います。先ほど工期が伸ばせるのかって自分で聞いてみたものの、令和8年の4月にできると伝えているにも関わらず、例えば今4年生の児童が2年間くらい工事があって、6年の3学期だけ新校舎とかはかわいそうです。

佐保小の工事はもう始まっている(佐保小WEBより)

 以上より一刻も早く、予算を認めて建設するべきであると思いますが、議会は多数決でこれを否決しました。さらに否決した議員のほとんどは「あくまで市長と市のせいである」と主張しています。正直、子どもたちのことを考えると怒りがこみ上げてきました。どう考えても議会が邪魔をしている結果であると感じます。私の住んでいる隣の地区でこのような結果となり、とても力不足を感じましたし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

なぜ3月は何の疑義も持たず予算を通過しているのに、今回はだめなのか??

将来もっとたくさんのお金がかかるとなった時にはだれが責任を取るのか?

子どもたちの環境、そして住民の方の不満は今回間違いなく議会が責任を持つべきであると感じます。
この結果が、子どもたちにとって後を引かないように少しでもできることはやっていこうと思います。

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