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第110回「無料で愚痴聞きます」で考えさせられたこと ~大人のマンガ家さんと教育の話をする②~

小説家とマンガ家の違いって??

愚痴聞きに、編集長にネタをボツにされたマンガ家さんが来られた時の話の続きです。

マンガ家はとても過酷な仕事。

普通の新入社員がマンガ家と同じ環境にさらされたら、「1000人中1000人辞める」とww

その中で、小説家とマンガ家の違いに話がなりました。

この2つの職業は、同じように平面上で表現をすることになります。
しかし、「表現」という意味でまったく異なるといわはります。

まず、小説家は当たり前ですが文字しか使えません。
情景や登場人物の姿などすべて読者にゆだねる形になります。
著者がそれらの情報を限定することはできず、読者が著者とまったく異なる想像をしていたとしても、許さなければなりません。
ある意味心が広い人が多いと。

マンガ家はその点が違います。
情景や登場人物の姿、そのときの表情までマンガ家が支配しないと気がすまないとw
マンガ家は自己表現をする欲求が強いそうですw

普段小説やマンガは見る側なので、表現者側からの違いってなかなか面白い話でした。

筆圧感知2048段階、アナログは無限

業界の話では、やはりこのマンガ業界はアナログ信仰がまだまだ強いといわれているそうです。

コンピューターだけで描く人もだいぶ増えてきたけど、アナログがいいと感じる人が多いと。

私たちが見ているマンガも半分くらいはアナログなのだとか。

じゃあ、なんでそんなにアナログ信仰が強いのか??

ひとつ象徴的なことは「筆圧」です。

「筆圧」っていうのは、線を描くときの力の加減のこと。

しかし、現在性能のいいコンピューターにおいて、この筆圧の感知は2048段階で判断されているらしいです。

2048段階もあれば十分な気がしますが、そうではないようです。

アナログで線を描く「筆圧」と比べると、違和感があるように感じるとのこと。

アナログでの筆圧は無限大でこれにはかなわないと仰られてました。

子供たちに何を伝えていくべきか??

最後に話題は教育の話に。

前半の話にもあったように、マンガ家といえば子供たちに憧れの職業。

そんな人たちから見て、未来に向かって子供たちに何を伝えていくべきか?もしくは義務教育上で何を学んでほしいか?問うてみました。

すると即答で「演出」をもっと考えてほしいと。
今は「演出」というものを学ぶ機会がない。

「演出」??どういうことかなと思い、詳しく聞いてみました。

例えば、学級30人いたとして、「桃太郎」の話を表現してくださいと問うたときに、30人それぞれもっと独創的な形を考えてほしいと。

ある子は桃太郎についていくサルに主眼を置き、サル目線で語ってもいい。
ある子は桃太郎に退治されるまでの鬼の生活を膨らませてもいい。
ある子は桃太郎が悪者で、鬼がいい者の物語を書いてもいい。
ある子は桃太郎が鬼をやっつけて、帰る船の中を中心に書いてもいい。

このように、同じ「桃太郎」であっても、その人が感じる「演出」によって、ひとつの事象の奥行きが無限大に広がっていく・・・

きっとこのような「演出」ってものがもっと学ぶ機会があれば、世界は将来、もっと豊かなものになると仰られてました。

教育というものを考える上で、なんて素敵な話だろうと感じました。

私はどちらかというと、芸術には離れた形で義務教育を育ち、大人になりました。
芸術を身近に感じ、育ち、現在もその分野でやられている人には、やはり私たちと異なる世界が見えているのだと感じました。

これすべて、「大人なマンガ家」さんから愚痴を聞いて感じたことっていうのがまた面白いところです。
普段ならこんなフラットな気持ちで、この方の話を聞けたかわかりません。
まさに路上で行う愚痴聞きの醍醐味です。

去り際に、このマンガ家の方、「自分は結婚している!」と仰られました。
てっきり結婚されてないおもてたww(偏見)
さらに、そういうマンガに関して嫁のほうが詳しく、この方が描いたマンガのダメだしを嫁が毎回してくると愚痴っていかれましたww

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